微細部品ハンドリングシステム
Micro Parts Handling Systemマイクロパーツ・ハンドリングシステム
肉眼で見ることが困難な、0.3mm以下の超微細部品の組立を行えるハンドリング装置です。
1㎜以下のものづくり領域の可能性を開きます。

活用シーン例
- 製造ラインに乗せる前の半導体の試作品を研究室で作成したい
- 不良基板の表面をはがして、故障の状態を確認したい
- プリント基板や電子部品の検査用コンタクトプローブの組立をミスなく行いたい
- φ0.1 mmのハンダボールを高密度かつ高精度に、短時間で確実に実装したい
- 時間と経験が必要な微細ネジ締めの作業を素早く正確に完了したい
- 高精度を要求される極細ピンの組み付けを自社で行いたい
2Φ0.005タングステンワイヤの
Φ0.01穴入れ
数十個のΦ0.01穴から任意の場所にΦ0.005タングステンワイヤ挿入
(サイズ:穴径 Φ0.01mm、タングステンワイヤ径 Φ0.005mm)
純チタンφ0.1mm のネジを
短時間で締める
特徴:時間と経験が必要な微細ネジ締めが容易に可能となります
(ねじのサイズ:φ0.1mm)
元世界最小のサイコロタワーの
積み立て
不安定な米粒の上に、0.3mm角の部品を3段に積み上げた事例です
(各サイコロのサイズ:0.3 × 0.3 × 0.3mm)
技術背景
人の手と顕微鏡を介した作業では
0.3mmの超微細部品の組み立ては不可能
これまで、0.3mm以下の部品の組み立てをする技術は確立されていませんでした。
人間の手で1㎜以下のサイズの部品を扱う場合、必ずとブレが生じます。
目に見えないほど微細な部品を顕微鏡を見ながらピンセットでつかみ、裏返す、などは従来の方法ではほとんど不可能な作業でした。
積層の技術で作成した素材についても、その一部をはがして検証する方法が模索されてきましたが、手作業で行う工程には限界がありました。1㎜以下の部品の組み立てや検証を実行するには通常は大規模な製造ラインを整備するための高額投資が必要で、一企業や研究所が超微細部品を扱うには大きなハードルが存在していました。
解決する課題
「マイクロパーツ・ハンドリングシステム」は肉眼では見えないほど微少な部品でも、組み立て、搬送作業を可能にします。
ポイント1
高性能ハンドリングシステムで肉眼で見えない超微細部品の組み立てが簡単に
導入は容易で、大規模な設備を作る必要もありません。一台で目に見えない微細なワーク一つ一つを点検できるようになります。顕微鏡と人の手を使った工程を自動化できるため、高い量産性や仕上げ作業の大幅な効率化をもたらします。手軽に持ち運べる軽量設計で導入も容易です。
上面と正面から対象部品をカメラで撮影し、モニタに2画面を同時表示。空間的な視認をしながら微細部品を取り扱う作業ができます。
ポイント2
初心者でも容易に扱える微細部品のハンドリング能力
装置の制御にはダイヤルやレバー、ハンドルを使用。アナログ感覚でロボットアームが操作できます。自分の手で動かすアナログの感覚を保ったまま操作できるため、特別な技能も必要ありません。アーム先端のアタッチメントを付け替えることで、部品組立、検査、ネジ回し等の様々な作業を行うことが可能になります。精度は高く、不安定な米粒の上に、0.3mm角の部品を3段に積んだサイコロタワーの積み立ても達成しています。
操作は非常に簡単で、初めて「マイクロパーツ・ハンドリングシステム」に触れた小学生でも0.3mm角のサイコロを崩さずに積み上げる微細な作業を成功させています。
手軽に持ち運べる軽量設計で導入も容易です。
「1㎜以下サイズは扱えない」という人の手による作業の障壁を取り除き、超微細部品の研究開発や製造の新たな領域を切り開きます。治具を併用することで、量産工程にも応用可能です。
顕微鏡で覗いてようやく視認できる歯車「パウダーギア」も容易にセッティングが可能に。
これまでほとんど不可能だった積層の技術で作成した薄い素材をはがす作業や、標準8㎜の先端で血管等をつかむ手術用鉗子のさらなる微細化など、ものづくりの進化を当システムの技術がサポートします。
導入方法・使い方
導入に必要な環境
・特別な環境は必要ないため、自社の工場や研究所でそのまま導入できます。
使い方
■左右2個のグリップをハンドルで操作して、微細部品をハンドリング
■グリップ1個あたり8個のハンドルを用いて自在に操作可能
■上面および正面から対象ワークをカメラで撮影し、モニタに2画面同時表示
■自在なライト調整によるクリアな画像で部品を確認できます
■使用機材:マイクロパーツ・ハンドリングシステム
■サイズ(mm):穴径 Φ0.01、タングステンワイヤ径 Φ0.005
■ねじのサイズ(mm):φ0.1
使用事例
元世界最小0.3mm角のサイコロタワー
パウダーギア掴み
ホルダー交換作業
0.2ピン入れ
サイズ(mm):穴径 Φ0.01、タングステンワイヤ径 Φ0.005
基本構造
- カメラ
- 500万画素CMOSカラー
- CCTVレンズ :0.3~1.0倍ズームレンズ+2.0倍リアコンバータレンズ
- 標準視野範囲:3.6×2.7 mm~11.0×8.3 mm
- 拡大・縮小倍率:モニタ倍率181~59倍
- キャプチャー倍率10%~1,600%
各サイコロのサイズ(mm):0.3 × 0.3 × 0.3